東村アキコさんの「かくかくしかじか」は、
東村さん御自身のことを書いたエッセイ的なマンガで、ノンフィクション。
2020年6月のNHK「あさイチ」にご出演されていて、素敵でパワフルな方だと思い、読んでみたのですが、
マンガの世界でプロとして、腕一本で成功している、パワーの源の分かるような、とても良いマンガ本でした。
(ちなみに、東村先生はコチラのマンガを強くお勧めされていました。
『稲荷神社のキツネさん』
何を仕事にすればいいか? どうやったら働いてお金持ちになれるか? 分かる、町田真知子先生の原作をマンガにしています。)
『かくかくしかじか』は、東村アキコさんが高校3年生の時に、美大を目指して絵画教室に通うことになり、
そこで強烈な恩師の画家、芸術家の日高健三先生に出会います。
絵を描くこと、芸術を創造することをとおして、生きることを学んでいくような、成長していく様子が伝わるようなマンガになっているのですが、
この本を読んだだけでも、日高健三先生に学ぶことが大きく、
(読者にも「描け」と言われているような)
途中から、日高健三先生が、
東村アキコさんの恩師であるだけでなく、
読者にも大切なことを教えてくださっているような、学べるマンガ。
人は、何かを成し遂げたいと思いながら、目の前にあるほんの一歩を毎日歩み続けることが難しく、気持ちを一点に集中させることができずに、目移りし、迷い、意識が分散されて、
成し遂げたいことがなかなか叶わなかったりする存在で、
自分が、今日、何をすべきかを教えてくれるような作品。
十代後半から二十代、三十代などの若い人が読むと、さらにとてもいい影響を受けるかも、と思います。
(東村アキコ先生お勧めの、『稲荷神社のキツネさん』と合わせて読むと、本当にいいと思います。)
と、いうことで、
おもむろに、子供にマンガを勧めだす母。(私。(笑))
しかし、マンガ好きの子供も、母がおもむろに勧めてくるマンガを、
読もうとしない。
(怪しさマックス。(笑) 警戒されました。(笑))
若かりし当時の視点でも書かれていますが、
その時の日高健三先生の気持ちが、
「今の私には分かります」と、顔をのぞかせる、今、大人になったプロ漫画家の東村アキコ先生の視点が、また、いい感じで入ります。
漫画の世界にどっぷり入ったマンガではなく、
(エッセイ的なノンフィクションの作品なので)
マンガを描く作者 東村アキコ先生のバックボーンが分かるエピソードてきな作品。
東村アキコ先生のファンはもちろん、
私のようなNHK「あさイチ」でチラっと見かけただけのような、
ほとんどその世界を知らない人にも、
読んで、心が動かされるような作品になっていました。